紀尾井町サロンホール主催「音楽大学生による木曜コンサート – Blooming 2022」にご出演いただく音楽大学生をご紹介する、Blooming Artist インタビューシリーズ。7人目は2022年12月22日ストリングス演奏家による公演にご出演いただく、伊佐 泰一さんにご登場いただきました。
1. ご自身と音楽との出会い、音楽を志すに至るお話をお聞かせ頂けますか?
私の母が沖縄のアマチュアの楽団でヴィオラを演奏していたため、小さい頃から家にはヴィオラがあり、よく弦を弾いて遊んでいたのを覚えています。ちょうどその頃に幼稚園の発表会で、ベートーヴェンの交響曲第9番の4楽章を確か木琴で演奏したのが、クラシック音楽に触れた最初の出来事でした。そのあと、のだめカンタービレというドラマの影響もあり、楽器を弾くのって楽しそう!って思い、母が学生時代に入っていた、中城ジュニアオーケストラに入団し、さまざまな曲に触れていくようになりました。
ある演奏会を聴きに行った際に非常に感動して、直接話したわけでもなく、会ったこともないたくさんの人を感動させるのは凄いことだなと感じ、自分もこういう演奏ができるようになりたいと思い、本格的に音楽の勉強をしていくようになりました。
2. 音楽大学に入学されてから、思い出深いエピソードなど心に残る出来事などおありでしたか?
地元の沖縄では、弦楽器の参加人口が少なく、同級生と一緒に弦楽四重奏や、オーケストラをすることは難しいのですが、授業で一緒に組むカルテットが何グループもあったり、学内のオーケストラが3つもあって、同い年だけでアンサンブルを組むということに、非常に刺激を受けました。また、著名な先生方から直接ご指導を受けることができているのも非常に刺激を受けています。
3. ご自身にとって、ヴィオラはどんな存在ですか?
私は最初ジュニアオーケストラでヴァイオリンから始めたのですが、ジュニアオーケストラの暗黙の了解というか、体格の大きい子はヴィオラを経験するというのがあり、これが私がヴィオラをはじめるきっかけになりました。それまで1st ヴァイオリンにいた私は、メロディーもそんなにないし、まずハ音記号読めないし、最初は本当に苦戦したのですが、段々とヴィオラのおいしいところというか、ヴィオラ独特のA線やC線の響き、メロディーの裏でやる楽しさ、和声を担う楽しさ、ヴァイオリンとチェロに包まれる感じがたまらなく好きになり、ヴィオラっていいなぁって思うようになりました。また、母がやっていた楽器でもあるので、一緒に弾けるという楽しさもありました。
4. 音楽だけではなく、プライベートも含めて、これからチャレンジしてみたいことはございますか?
高校生の頃まで、祖父の影響で三線をやっていて、たくさんの琉球古典音楽、沖縄民謡に触れてきました。沖縄の島々には島の代表歌というものがあり、本当に多くの音楽があります。古典、民謡どちらにも素晴らしい名曲が沢山あるので、そういった曲をクラシックの楽器で演奏できるような編曲をして、普段クラシックを聴く機会が多い方々にも沖縄音楽を紹介できるようなことをしてみたいです。
夕焼けなど自然の景色を見るのが好きなので、いろいろな場所に行って、その土地の景色を見てみたいです。
5. 最後にコンサートを心待ちにされていらっしゃるお客様に、当日のプログラムの聴きどころなど、メッセージをお願い致します。
今回のコンサートで演奏される予定のモーツァルトやベートーヴェン、ドヴォルザークはヴィオラを演奏していたそうです。そのためか、ヴィオラが活躍する場面が多く、また、〈セリオーソ(厳粛)〉〈アメリカ〉など、曲に題名がついているのも、今回のプログラムの共通点のうちのひとつとなっています。
それぞれの曲の雰囲気やヴィオラの良さを充分に表現できるように頑張りますので、是非いらしてください。お待ちしています。
プロフィール
伊佐 泰一(いさ たいち)
沖縄県出身。6歳よりヴァイオリンを始め、16歳でヴィオラに転向。6歳から高校卒業まで中城ジュニアオーケストラに所属。平成30年度グローバルリーダー育成海外短期研修事業 沖縄県高校生芸術文化国際交流プログラム 音楽部門によりドイツへ派遣。トヨタ青少年オーケストラキャンプに4大会参加。これまでにヴァイオリンを佐渡山真理、ヴィオラを佐渡山安哉、大野かおる各氏に師事。現在、東京音楽大学学部3年に在学中。
コンサート情報
アーク紀尾井町サロンホール主催
音楽大学生による木曜コンサート
Blooming OP. 6 – STRINGS
木曜コンサート – Blooming シリーズ
紀尾井町サロンホールではコロナ禍で大きな影響を受けている音楽シーンの状況に、少しでも未来に続く光を見いだせるような取り組みを模索しております。その中で、対面での実技レッスンが出来なくなったり、演奏をする機会も激減し思い描いていたような学生生活が送れずにいる音楽大学生の苦悩のお話をお聞きし、サロンホールとして学生の皆様に寄り添い、お客様の前で演奏をして頂く機会を作ることが、ささやかな一助となるのではと考えました。未来ある若き音楽家が花開く様を想いBlooming(ブルーミング)というタイトルを冠して、音楽に真摯に向き合う音楽大学生による、今だからこそ出来る演奏を多くのお客様にお聴き頂くことが出来ればと願っております。
第1弾 2022年 8月18日(木) ピアノ
第2弾 2022年 2月16日(木) 声楽
第3弾 2023年 3月 2日(木) ストリングス
主催 アーク証券株式会社 ・ 紀尾井町サロンホール運営事務局(株式会社ミリウテラス)