紀尾井町サロンホール主催「音楽大学生による木曜コンサート – Blooming 2022」にご出演いただく音楽大学生をご紹介する、Blooming Artist インタビューシリーズ。5人目は2022年12月22日ストリングス演奏家による公演にご出演いただく、遠井彩花さんにご登場いただきました。

1. ご自身と音楽との出会い、音楽を志すに至るお話をお聞かせ頂けますか?

親族に音楽家がおり、特にヴァイオリニストである母と祖父の影響を受け、幼い頃から音楽に携わってきました。

初めてヴァイオリンのコンクールを受けたのが幼稚園年長の時で、その時に、賞をもらう嬉しさを感じました。

コンクールをたくさん受けるうちに、オーケストラやアンサンブルに興味を持ち、音大に入学しようと決意しました。

実は音大に入学するまでたくさんの困難にぶつかりましたが、私が入学した東京音楽大学はプロのオーケストラで活躍されている先生方がたくさんいらっしゃり、私にとって理想の場所です。

今その場所でたくさんのことを学べているこの環境にとても感謝しております。

2. 音楽大学に入学されてから、思い出深いエピソードなど心に残る出来事などおありでしたか?

大学入学時がちょうど新型コロナウイルスが蔓延していた真っ只中で、入学式ができないという年でした。

1年生の前半はリモートでレッスンを受けたり授業を受ける日々で、大学4年間がより短い時間しかない私たちにとって、11日がとても貴重ということもあり、色々なことに挑戦したいという意欲からか、私の学年はとても団結力が強いなと感じております。

昨年は、同期を中心に先輩後輩を集い、有志のオーケストラを作りました。そして今年2月に第1回目の定期演奏会を行いました。

演奏会をするにあたり、難題にも直面しましたが、全員で成し遂げたこの本番は、コンサートミストレスを務めたこともあり、私にとってとても大きな糧となりました。

3. ご自身にとって、ヴァイオリンはどんな存在ですか?

相棒であり、宝物です。

大学に入ってから、常に楽器を持って歩いているのですが、楽器を持たない日があると、家に置いてあるのに、ふと楽器を探してしまったり何処かに置いてきてしまったのかと焦ったりしてしまいます。

体の一部になっているのではないかと思うほどいつも一緒に行動しています。

また、演奏家にとって、自分の楽器も音も唯一無二です。ですから、自分の出す音の一音一音が聴いてくださる方の心に響くように弾きたいといつも考えております。

4. 音楽だけではなく、プライベートも含めて、これからチャレンジしてみたいことはございますか?

オペラやバレエ音楽は人生に1度は経験してみたいことの一つです。

ソロだけ、オーケストラだけ、という風に偏るのではなく、ソロも室内楽もオーケストラも、いろんなものを弾くことができる演奏家になりたいと思っております。

それぞれ弾き方が全く違うので、弾き分けることができるようになりたいという意味でもいろいろな弾き方を知った上で自分のやりたいことを見つけていきたいです。

プライベートでは、興味がある資格を取ってみたいのと、ドイツ語を勉強したいです。

ドイツ語に関しては授業で少し勉強しましたが、会話ができるようになりたいので、まだまだ足りないなと感じています。

5. 最後にコンサートを心待ちにされていらっしゃるお客様に、当日のプログラムの聴きどころなど、メッセージをお願い致します。

今回のメインはドヴォルザークのアメリカという、最初のヴィオラのテーマが印象的なとても有名な曲です。

ドヴォルザークの田舎っぽさに加えて、異国の雰囲気や人間の素のようなものを感じさせるメロディを皆様にお届けできたらなと思っております。

この素晴らしい紀尾井町サロンホールで弾くことができる機会をいただき、本当に幸せです。

今回初めてのメンバーで挑む演奏会ですが、個性も生かしつつ、私たちなりの音楽を表現できるように精一杯頑張ります。

皆様とお会いできるのをとても楽しみにしております。

プロフィール

遠井彩花
2001年生まれ。第20回東京音楽大学コンクール弦楽器部門第1位。第2428回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール第1位。International Master Classes Pro.Dichler Competition 第1位(ウィーン)他多数受賞。台日国際トップ交流コンサートに招待される。 これまでに横山俊朗、竹澤恭子、三戸泰雄、遠井美奈、森幸平、ローズヴィータ・ランダッハー、エフゲニー・チェフケノフ、ミヒャエル・ヴァイマン各氏に師事。2021年度公益財団法人青山音楽財団奨学生。東京音楽大学器楽専攻3年に給費奨学生として在学中。

コンサート情報

アーク紀尾井町サロンホール主催
音楽大学生による木曜コンサート
Blooming OP. 6 – STRINGS

木曜コンサート – Blooming シリーズ

紀尾井町サロンホールではコロナ禍で大きな影響を受けている音楽シーンの状況に、少しでも未来に続く光を見いだせるような取り組みを模索しております。その中で、対面での実技レッスンが出来なくなったり、演奏をする機会も激減し思い描いていたような学生生活が送れずにいる音楽大学生の苦悩のお話をお聞きし、サロンホールとして学生の皆様に寄り添い、お客様の前で演奏をして頂く機会を作ることが、ささやかな一助となるのではと考えました。未来ある若き音楽家が花開く様を想いBlooming(ブルーミング)というタイトルを冠して、音楽に真摯に向き合う音楽大学生による、今だからこそ出来る演奏を多くのお客様にお聴き頂くことが出来ればと願っております。

第1弾  2022年  8月18日(木) ピアノ
第2弾 2022年  2月16日(木) 声楽
第3弾 2023年  3月 2日(木) ストリングス

Blooming特設ページ

主催 アーク証券株式会社 ・ 紀尾井町サロンホール運営事務局(株式会社ミリウテラス)