紀尾井町サロンホール主催「音楽大学生による木曜コンサート – Blooming 2022」にご出演いただく音楽大学生をご紹介する、Blooming Artist インタビューシリーズ。三人目は8月18日ピアノ演奏家による公演にご出演いただく、稲垣拓己さんにご登場いただきました。

1. ご自身と音楽との出会い、音楽を志すに至るお話をお聞かせ頂けますか?

幼稚園先生がピアノを弾いてるのを見て興味を持ったのがきっかけでした。3歳ぐらいの時から近所の電気屋さんの電子ピアノをずっと弾いて遊んでました。引越しなどが重なってピアノを習わせてもらったのは6歳からでした。

音楽を志したきっかけはこれと言ってないのですが、中学2年生の時に受けた全日本学生音楽コンクールで1位をいただいたことは大きかったです。

それから東京音楽大学付属高校のピアノ演奏家コース・エクセレンス(特待生)を受験することに決めたのですが、その課題がとても大変で、60分のプログラムを用意しないといけませんでした。当然それまではそんなに長い間弾いたこともなく、レパートリーも全然無く、はじめてのソナタ全楽章、はじめての平均律、はじめての(笑)

そんな調子でしたが中31年間必死に練習して試験ではなんとか弾きました。

高校に入学してからは年に240分程度の試験があったのでとにかく必死になって練習しました。

2. 音楽大学に入学されてから、思い出深いエピソードなど心に残る出来事などおありでしたか?

今年亡くなった野島稔先生に習えたことは1番の思い出です。先生の音はどこまでも透き通っていてまったく妥協がありませんでした。レッスンではいつも口酸っぱく自分の音をよく聴くように言われました。先生のレッスンはすぐに改善できる課題をいただくことより、どんな曲でも常に意識しなければならない「音そのもの」についての課題を頂くことがほとんどでした。

結局5年間ほとんど同じことを言われ続けてしまいましたが、音楽家が一生磨き続けなければならない音の作り方を野島先生に教えていただけたことは一生の財産です。

今でも練習していると先生に
「よく音を聴いて合わせなさい」
と言われているような気がします。

3. ご自身にとって、ピアノはどんな存在ですか?

ピアノという楽器は自分にとっては友達のような存在です。

他の楽器の方は1つの同じ楽器を弾き続けることがほとんどですが、ピアノはたくさんの楽器を弾きます。練習室や会場で出会ったピアノとその場で会話しながら自分の音を探していく作業はとても楽しいです。もちろん楽器との関係が悪くなることもあります。仲良くなれることばかりではないことも、友達だと思う理由のひとつです。

ピアノを弾くことについては、良くも悪くも自分の全てが出てしまいます。幼い頃は楽しくて楽しくて仕方ありませんでしたが、最近は怖さを感じる場面も増えてきました(涙)自分の私生活が演奏に出てしまう気もするので、日ごろの行いには気を遣っています(笑)

4. 音楽だけではなく、プライベートも含めて、これからチャレンジしてみたいことはございますか?

ここ半年で大変身を遂げた嘉屋先輩を見習って運動や筋トレはしてみたいと思っていますが、なかなか踏み出せません(涙)

最近は時間が取れませんが、本格的なカレーを作るのが趣味で、家に何十種類もスパイスを集めています。インドだけでなくシンガポール、タイのカレーも作ってみようと思っています。

あとは鉄道が大好きなので臨時列車を探して乗りに行きたいです。

5. 最後にコンサートを心待ちにされていらっしゃるお客様に、当日のプログラムの聴きどころなど、メッセージをお願い致します。

今回はベートーヴェンとシューベルトのソナタを演奏します。

ベートーヴェンは珍しく2つの楽章でできているソナタです。ベートーヴェンと聞けばしかめっ面の肖像画を想像しがちですが、この曲はユーモアに溢れた可愛らしい作品です。

ベートーヴェンがあの顔でふざけているところや、ダジャレを言っているところを想像してみるとなんだかわくわくしてきませんか(笑)そんな演奏ができるようがんばります!

シューベルトはとても寂しく葛藤に満ち溢れた作品です。自分にとってはじめてのシューベルトでとても苦戦していますが、他のピアノソナタにはない歌曲や弦楽四重奏のような、あえて言えばピアニスティックでない音の世界観を表現したいと思っています。 

どちらの曲も作曲家の知名度にしては演奏機会の少ない曲ですが、みなさまに作曲家の新たな一面に気付いていただけたらとても嬉しく思います。

紀尾井町サロンホールは落ち着いた雰囲気でアットホームな素晴らしい会場です。大きなコンサートホールでは味わえない、サロンならではのピアノから直接届く音色をお客さまにお楽しみいただけることと思います。

当日、会場でお会いできることを心待ちにしております。

プロフィール

69回全日本学生音楽コンクール中学校の部全国大会第1位。2017年第26回国際音楽祭ヤングプラハに招かれチェコ・プラハ各地でリサイタル、ファイナルコンサート出演。帰国後はチェコ大使館コンサートに出演。2018年イタリアで開催された第34回ヴァルセシア国際音楽コンクール第3位、第8回オージモ国際ピアノコンクール最年少第1位。2019年イタリアの2つの音楽祭にソリストとして出演。川島基、海瀬京子、佐藤彦大、の各氏に師事。

動画

コンサート情報

アーク紀尾井町サロンホール主催
音楽大学生による木曜コンサート
Blooming OP. 5 – PIANO

Piano 嘉屋翔太
Piano 三浦颯太
Piano 稲垣拓己
Piano 荒川浩毅

開場18:00 開演18:30

チケット 一般¥3,000 学生¥2,500 (税込・自由席)

チケットのご予約は紀尾井町サロンホールオンライン予約をご利用ください。

■Program

ベートーヴェン:ピアノソナタ第7番 ニ長調 作品10-3 / チャイコフスキー:18の小品より 第5番『瞑想曲』作品72
ベートーヴェン:ピアノソナタ17番 ニ短調 作品31-2 / ショパン:エチュード 作品10-10 変イ長調
リスト:超絶技巧練習曲 第10番 へ短調 S.139/10 / ベートーヴェン:ピアノソナタ第22番 へ長調 作品54
シューベルト:ピアノソナタ第14番 D784 / ブラームス:間奏曲 作品119-1
リスト:ポロネーズ第2番 S.223-2 / ベートーヴェン: ピアノソナタ第30番 ホ長調 作品109 他

*チラシは画像をクリックすると拡大いたします

木曜コンサート – Blooming 2022

Blooming特設ページ
紀尾井町サロンホールではコロナ禍で大きな影響を受けている音楽シーンの状況に、少しでも未来に続く光を見いだせるような取り組みを模索しております。その中で、対面での実技レッスンが出来なくなったり、演奏をする機会も激減し思い描いていたような学生生活が送れずにいる音楽大学生の苦悩のお話をお聞きし、サロンホールとして学生の皆様に寄り添い、お客様の前で演奏をして頂く機会を作ることが、ささやかな一助となるのではと考えました。未来ある若き音楽家が花開く様を想いBlooming(ブルーミング)というタイトルを冠して、音楽に真摯に向き合う音楽大学生による、今だからこそ出来る演奏を多くのお客様にお聴き頂くことが出来ればと願っております。

第1弾 2022年  8月18日(木) ピアノ
第2弾 2022年12月22日(木) ストリングス
第3弾 2022年  2月16日 (木) 声楽

主催 アーク証券株式会社 ・ 紀尾井町サロンホール運営事務局(株式会社ミリウテラス)