6月30日の木曜コンサートはアルゼンチンが誇るギターの名手レオナルド・ブラーボさんと南米音楽をこよなく愛するつのだたかしさんによるデュオコンサート〈過ぎし日のミロンガ〉をお贈りします。比類ない名手の伴奏を得ての歌、そしてギター独奏、息のあった二重奏など、タンゴの洗練とフォルクローレの郷愁をお楽しみください。公演にさきがけ、お二人にインタビューをさせていただきました。    (文中一部敬称略)

つのださん、ブラーボさんのお二人の出会い、デュオコンサートをはじめられた経緯を教えてください。

つのだ:15年ぐらい前だったか。初めてレオ(ブラーボさん)が出演したコンサートを聴きにいった時の打ち上げでの会話。
つのだ「え? 今九州に住んでるの?」
ブラーボ「ハイ、フクオカ、マエバル、オクサンハニホンジンデス」
つのだ「ラ・マスボニータ・マエバル?」                                                             (←有名なアルゼンチンのフォルクローレ「ラ・テンプラネーラ」の一節から。前原で1番の美人?という意味)
ブラーボ「Si Si Si Ahahahaha」                                                              こうして歌いながらその夜は更けていきました

ブラーボ:私にとっては、一緒に音楽を作ろうという誘いを受けたことが大きな喜びであり、名誉なことでした。初めてのリハーサルの時に、音楽が楽しいだけでなく、素晴らしい人に出会えたと感じとてもうれしく思いました。つのださんと一緒に演奏する時はいつもわくわくします。

ブラーボさんは2001年に来日、現在は日本を音楽活動の拠点になさっています。
母国アルゼンチンのみならず南米ウルグアイ、パラグアイ、ペルーなどの多彩な音楽シーンを演奏によって伝えてらっしゃいますが、特筆すべき南米音楽の魅力についてお聞かせください。

ブラーボ:音楽は、アルゼンチン、そしてラテンアメリカが持つ最大の宝物かもしれません。 ジャンルもニュアンスもアイデンティティもとても豊かなオリジナル音楽だと思います。 それは知的な探求の産物ではなく、人々の中から自然に生まれてきた音楽なのです。 そしてまたラテンアメリカやアルゼンチンのポピュラー音楽は、過去の繰り返しではなく、常に動き、成長し、生まれ続ける生きた力です。だからこそ新しい世代に対しても、価値をもち続けるでしょう。

つのださんは南米のフォルクローレを自らの歌とギターのCD〈南へ帰る〉をリリースされていますね。本公演のつのださんのお歌も楽しみです。これまでにたくさんの歌い手を発掘、紹介、そして伴奏者として力強く支える活動をしてらっしゃるつのださんにとって〈歌う〉〈声〉とはどのようなものなのでしょうか?想いなどございましたら、教えてください。

つのだ:ものごころついた頃から歌っていました。ラジオ、テレビや耳から入ってくる歌をなんでも。その頃から日本語の歌だけでなく外国語の歌も、英語、イタリア語、スペイン語の響きが特に好きで、歌ってというかカタカナでつぶやいていたというか。
高校生になってギター教室に通うようになり、だんだんクラシック方向へ転換、いつのまにかドイツへ留学。留学中にギターからリュートへ転換し、現在があります。でもリュートを始めるきっかけになったのも歌でした。ドイツに住むようになってから、カウンターテナーのアルフレッド・デラーがリュートの伴奏で歌っているのをフランスのラジオ放送で聴いて、ああ、こういうのをやりたいな、と思ったんです。ほんとに歌が好きなんですね。

少し音楽から離れますが、今回のフライヤーのお写真はブラーボさんが撮影されたと聞きました。ブラーボさんのセルフポートレートも素敵ですが、お相手のつのださんの横顔が人間性まで映しだされているようでとても印象深いです。
ブラーボさんの写真撮影はライフワークなのですか?その他に夢中になってらっしゃることはありますか。

ブラーボ:ありがとうございます。この(つのださんの)写真を覚えていなくて、見たときに、あれ?この写真は私が撮ったのか?と思いました(笑) 写真には長年情熱を注いできました。時間的な作業である音楽を補完するものとして、視覚的な空間での作業が好きなのです。 他にも、自然や山、サイクリングなど、好きなことはたくさんあります。「幸せ」ということを考えるとき、私はいつも自転車に乗っている自分の姿を想像します。

今回のコンサート〈過ぎし日のミロンガ〉スペイン語でMilongueo del Ayerは「古きよき過去を懐かしむ」という意味があると聞いています。
アルゼンチンタンゴのほか、素朴な趣のある民謡なども予定されていて楽しみです。
本公演は二ヶ月前に完売となる大きな反響をいただいています。
当日を心待ちにしていらっしゃる方々にメッセージをお願いします。

つのだ:今回で4度目になる紀尾井町サロンホールでのコンサート。これまでは歌手の伴奏、支え役で出演させていただきましたが、今回は自分が歌って、アルゼンチンの友人がギターで伴奏をしてくれます。スペイン語の発音チェックも厳しくしてくれます。
どうぞ楽しんでいってください!

ブラーボ:アルゼンチンの音楽、その色や特有の音を楽しんでいただき、それを通じて遠い国の風景や人々の心を知っていただければと思います。 つのださんと、そして皆さんと、私の音楽の世界を共有できることは、私にとって大きな喜びです。

コンサート情報

アーク紀尾井町サロンホール主催シリーズ 木曜コンサート
Milongueo del Ayer
「過ぎし日のミロンガ」

アルゼンチンのフォルクローレとタンゴ
~情熱 洗練 そして、郷愁~
南米の風を全身に感じて、いざ遠き大地への旅へ。

2022年6月30日(木)
19:00開演 18:30開場

〈満席/予定枚数終了〉
前売一般 4500円
学生1500円(高校生以下)

*チケット予約*
1)ダウランド アンド カンパニイ(郵便局または銀行へのお振込→チケット郵送)(ご購入はこちらボタン入る)WEB購入 メール TEL.042-390-6430(平日10:00〜17:30)

ご予約後、送料を含めた合計金額確認のメールを差し上げます。ご入金確認後チケットを郵送します。

2)紀尾井町サロンホールオンラインチケット(ご予約→当日精算)
チケットの発行はありません。ご購入メールの画面またはプリントアウトを当日受付におもちください。
www.kioichosalonhall.com/shop

*出演*
つのだたかし(ギター/歌)
レオナルド・ブラーボ(ギター)

*プログラム*
牛車に揺られて(ユパンキ)
首の差で(ガルデル)
エル・チョクロ(ビジョルド)
軍靴の響き(モーレス)
南に帰る/オブリビオン(ピアソラ) 他

*演奏者プロフィール*
つのだたかし(ギター/歌)
1968年ドイツにギター留学、リュート音楽と出会う。1976年ケルン音楽大学リュート科を卒業して帰国。以来リュート奏者としてソロ、リュートソング、古楽器バンド《タブラトゥーラ》などで活動、また古楽CD「パルドン」レーベルのプロデュース、舞台・映画・放送の音楽を手がけてきた。生来の歌好きで、還暦の年にはいつも口ずさんでいた南米音楽の鼻歌CD「南に帰る」をリリース。古稀をすぎてからはアルゼンチン音楽の達人であるギタリストのレオナルド・ブラーボとのデュオで、タンゴバーなどでもライブを行っている。

レオナルド・ブラーボ(ギター)
アルゼンチン生まれ。国立ロサリオ大学芸術学部音楽学科卒業後、欧米各地で活躍。ギタリスト、作曲家として数々の賞を受賞。2004年日本デビューリサイタル、以降継続的にリサイタルを開催。2010年レオナルド・ブラーボタンゴ楽団を結成。CDではソロ、二重奏の他、指揮、ディレクターとしても多くのCD制作に携わり高い評価を得る。また楽譜出版、後進の指導にも力を注いでいる。レパートリーはクラシックを中心に広い分野にわたる。とりわけ祖国の音楽であるタンゴ、フォルクローレに造詣が深い。豊かな音楽性と美音は多くの聴衆を魅了している。公式Website https://leonardo-bravo.com

チケットご予約 ◎ダウランド アンド カンパニイ  完売
TEL.042-390-6430 https://dowland.info info@dowland.info

主 催:アーク証券株式会社・紀尾井町サロンホール運営事務局
協力・お問合せ:ダウランド アンド カンパニイ