6月23日の木曜コンサートは、グランドハープと南米のハープ・アルパ、それぞれの個性を映画音楽、南米音楽など親しみのあるナンバーでお楽しみください!重なり織りなす弦の音色。心が満たされる麗しい演奏をお届けします。邊見美帆子さん、小野華那子さんにコンサートに向けたインタビューをさせていただきました。コンサートの案内としてお役にたてれば幸いでございます。
(本文中は一部敬称略にて失礼いたします)
まずはつきなみではありますが、お二人のそれぞれの楽器との出会い、またプロの演奏家になるまでの道のりを伺わせてください。
邊見美帆子:ハープと出会ったのは、小学生の頃友人の家に遊びに行った時でした。友人の演奏するアイリッシュハープの音色に感動して、帰宅してすぐ母親に私も習いたいと言い、始めることになりました。中学生になって、講習会に参加したりコンクールを聴きに行き、もっと本格的に勉強したいと思いグランドハープを購入しました。藝大附属の高校を受験したのですが、一度目は落ちてしまい地元の進学校に通っていましたが、翌年受験者がいないとのことで先生から受験の勧めがあり、一年遅れで藝大附属高校に入学することができました。その後、藝大に進学し今に至りますが、学生の時はあまり優秀ではなかったので、プロの演奏家になれるとは思っていませんでした。
小野華那子:8歳の頃に青森で催されたアルパコンサートを聴きに母が連れて行ってもらったことアルパとの出会いです。アルパを初めて聞いた時のキラキラした音色と、可愛らさと力強さを兼ね備えた不思議なラテンに魅了されたことは記憶にあります。従姉妹がフルート奏者でその音色が大好きで憧れていたり、母の影響で歌やクラシックを聴いたりと、音楽は何でも好きでした。18歳の頃に初めて出場したコンクールで2位を受賞し、優勝に届かなかった悔しさと本場のラテン音楽を学びたい思いで南米パラグアイへ留学をしました。コンクールとパラグアイ留学で得た経験に、アルパと生きていく決意をするための後押しをしてもらいました。
お二人の最近の演奏活動を拝見していると、グランドハープとアルパはそれぞれ、こんなにさまざまな楽器(歌)とのコラボレーションが可能なのかと、驚かされます。最近、経験なさった共演で印象深い楽器との出会いはありましたでしょうか。
邊見美帆子:ヴァイオリンやフルートなど旋律を奏でることの多い楽器や歌の場合、ハープはピアノ伴奏と同じ位置付けで演奏することが多いのですが、印象深いのは今回の企画のアルパとの共演です。お互いメロディも伴奏もできますし、ラテンというあまり馴染みのなかったジャンルにもチャレンジできるのは、とても新鮮でした。ハープはアルパよりも大きく、弦の張力も強いので時には同じことができないこともありますが、アルパの奏法やアレンジの工夫はハープにも活かせるところがあり、毎回新しい発見があります。 他は珍しいところですと、ハンドパンという楽器とも共演しました。独特の優しい音色はハープともよく合います。
小野華那子:アルパはパラグアイやメキシコ、ペルー、ベネズエラなど、中南米音楽に特化した楽器です。お琴や津軽三味線が日本民謡で生きる楽器ということを想像していただくと分かりやすいかと思います。アルパとギターとの相性はとても良く、中南米でも定番な組み合わせとして共演することはよくあります。印象深い楽器というとやはりグランドハープです。とても貴重で、わたしの中で大切な場になっています。今後ともずっとご一緒させて頂きたいです。
その中でハープとアルパとの相性、特筆すべき点はありますか。
邊見美帆子:アルパの軽やかで雅びやかな音色に対し、ハープはアルパよりも音域が広く低音が出せる為、重厚感ある響きが出せます。お互い一度に沢山の音を奏でられる楽器なので、上手く足し算引き算しないといけないのですが、表現の幅はとても広くまだまだ可能性が未知だと思っています。探り探りではありますが、共演するたびにお互いの活かし方がわかってきたような気がします。
小野華那子:グランドハープの優雅な美しい響きと、アルパの軽やかで煌びやかな音色の絡みは、ここならではと思います。アルパの苦手とする部分をグランドハープでカバーしてくださる美帆子さんの対応力が素晴らしく、毎度助けられています。クラシックで生きる魅力と、ラテンで生きる魅力、お互いの良さを最大限に楽しんでいただけるように常々勉強しております。
お二方とも演奏活動にお忙しくご多忙な日々を送られていますが、音楽以外で一番癒しになるものはなんでしょう。
邊見美帆子:癒しになるものは、友人や家族と過ごす時間、そして美味しい食べ物とお酒です。特に食にはとても関心が高く、SNSでもよく訪れたレストランの料理の写真を載せています。ただ家では、健康的な食生活を心がけています。
小野華那子:動物や自然が大好きなので、海や山へ遠出をしたりします。忙しく出掛けられない時でも、庭に遊びに来る野良猫や近所に住む猫と触れ合うことが癒しです。わたしの中で野外猫カフェと呼んでいます。
今回のお二人のユニット、またそれぞれの演奏活動の展望、音楽以外でチャレンジしていきたいことをお聞かせください。
邊見美帆子:都内での演奏会は今まで通りコンスタントに行っていきたいと思いますが、このデュオで全国まわれるようになったらいいなと思っています。今もお互い各地で演奏をしていますが、コロナ禍でキャンセルになってしまった企画などもあり、まだ実現していません。場所によっては楽器の手配の問題などもありますが、より多くの人に聴いていただけるよう、活動範囲を広げていけたらと思っています。音楽以外にチャレンジしたいことは、何か運動を始めることと英会話です。今もたまに友人にオンラインでレッスンしてもらっているのですが、不自由なく日常会話ができるくらいにはなりたいと思っています。
小野華那子:民族音楽とクラシック音楽の融合や、オリジナル楽曲など、ここでしか聞けない唯一の音楽をお届けしていきたいです。アルパと音楽にはたくさん助けられているので、恩返しとして一つでも多くの場で演奏出来るよう活動の場を広げていきたいです。CDアルバムの制作も目指しています。音楽以外ではスペイン語の習得を目指して頑張っています。
6月23日のコンサートは、どのようなコンサートになりますでしょうか。
お勧めポイントなども教えてください。
邊見美帆子:ハープとアルパの共演を初めて聴く方も多いと思いますので、お互いの定番曲を取り入れつつも、私達のユニットのためにわざわざ(華那子さんが)編曲した曲も多いので、その独自性を楽しんでいただけたらと思っています。
小野華那子:聴き馴染みのある音楽から、オリジナル楽曲と、どなたでも楽しんでいただけるコンサートです。ハープというと敷居が高く感じてしまうかもしれませんが、人々の心にそっと寄り添う優しい優しい楽器です。是非お待ちしております。
最後に、公演にお越しになられる方へ向けて、お二人からのメッセージをお願いします。
邊見美帆子:私が華那子さんと共演してみたくて声を掛け、昨年からカフェで始めた2人の活動ですが、今回は初のサロンホールコンサートと言うことで、今までの集大成となるようなコンサートにしたいと思っています。アルパファンやハープファンの方はもちろん、どちらの楽器も聴いたことがない方にも楽しんでいただけるよう、コンサートに向けて取り組んでいきたいと思います。ぜひ会場にお越しください。
小野華那子:美帆子さんとのデュオはコンサートが開催されるたびに進化しているので、世界を見ても中々開拓されていないグランドハープとアルパデュオという組み合わせを一緒に楽しんでくだされば嬉しいです。いくつかの曲を私が編曲をしており細部までこだわっておりますので、クラシックとラテンハープの魅力に浸っていただればと思います。皆様とお会いできることを楽しみにしております。
コンサート情報
アーク紀尾井町サロンホール主催シリーズ木曜コンサート
邊見美帆子&小野華那子 HARP×ARPA DUO Concert ~ラテンとクラシックの響き~
2022年6月23日(木)19:00開演
紀尾井町サロンホール 東京都千代田区紀尾井町3ー29紀尾井町アークビル1階
電話 03-6272-4711
麹町駅・永田町駅 徒歩4分
チケット 全自由席 前売一般4000円 学生2500円
ご予約はこちらから https://kioichosalonhall.com/shop/products/detail/20
グランドハープと南米のハープ・アルパのデュオコンサートです。ハープとアルパ、それぞれの個性を映画音楽、南米音楽など親しみのあるナンバーでお楽しみください!重なり織りなす弦の音色。心が満たされる麗しい演奏をお届けします。
◆プログラム
コーヒー・ルンバ
ニュー・シネマ・パラダイスメドレー
Quiero ser tu sombra 他
◆プロフィール
邊見美帆子 Mihoko Hemmi ハープ
栃木県足利市出身。10 歳よりアイリッシュ・ハープを、 14 歳よりグランドハープを始める。東京藝術大学附属音楽高校を経て、東京藝術大学音楽学部ハープ専攻を卒業。これまでにハープを、久保田洋子、ヨセフ・モルナール、篠崎史子、木村茉莉各氏に、また室内楽を小畑善昭、寺本義明各氏に師事。大阪国際音楽コンクール第3位。大橋純子、椎名林檎、河村隆一、サラブライトマンなど数々の有名アーティストのサポート、PVやレコーディングに参加。オーケストラや吹奏楽のエキストラ出演や、劇伴、 CMなどのレコーディングも行い、クラシックからポップスまでジャンルにとらわれず幅広く演奏を行っている。
小野華那子 Kanako Ono アルパ インディアンハー プ
青森県弘前市出身。現在は東京を拠点に各地にて演奏活動を行う。8歳よりアルパを始め本田宏彦氏、Chucho deMexico氏、敏子・根津・Sandoval氏に師事。2013年、第9回全日本アルパコンクールにて準優勝、国際交流協会賞・千葉日報社賞を受賞後 2014年にアルパ の本場であるパラグアイへ留学をし、現地にて演奏経験を積み帰国。新函館北斗新幹線開通に伴い弘前市・青森市・八戸市・函館市合同制作されたオフィシャル観光用プロモーションビデオテーマソング、青森ケーブルテレビ公式テーマソングを担当、映画『a hope of NAGASAKI 優しい人たち 監督 松本和巳 』劇版音楽担当。NBFビルランチタイムアルパミニコンサート全国ツアー、テレビ・ラジオ・新聞のメディア媒体出演等、 NHKプレミアムドラマ楽曲参加、学校公演を行い、現在は国立弘前大学特別講師として文化広報の活動も務める。パラグアイ音楽に加えラテン音楽・インターナショナル音楽を自ら編曲し、独自のアレンジにて演奏をする。