紀尾井町サロンホール主催「木曜コンサート」をより皆様に楽しんでいただくための、インタビューシリーズ。演奏だけではわからない意外な素顔が垣間見えたり、より身近に感じられるようなお話をぜひお楽しみください。3月31日の木曜コンサートにご出演いただく金持亜実さん、齊藤 舞さんにインタビューさせていただきました。(本文中は一部敬称略にて失礼いたします)

音楽をはじめられたきっかけについて、お聞かせ頂けますか?

金持:幼少の頃よりピアノを習っていました。両親が音楽好きで、クラシックだけでなく色々な音楽のCD等が家で流れているような環境だったこともあり、昔から音楽は好きでした。音楽家になりたいとは思ったことはありませんでしたが、入学した中学高校がたまたま音楽が盛んな学校で、好きな音楽ができる部活、ということで入った合唱部で歌うことの楽しさに目覚めました。

齊藤:母もピアノを学んでいて、小さい頃から家の中ではよく楽器の音が鳴っていました。なので私も自然にピアノを触るようになりました。

演奏家を志す過程では、色々なことがおありだったかと思います。やはり、音楽の道を選んで良かったと思われることを教えて頂けますか?

金持:演奏する側だけではなく、聴いてくださる方や会場の空気、様々なものが合わさることで、一期一会の音楽が生まれると思っています。たくさんの素晴らしい音楽家の方々と共演させていただく中で、そこでしか生まれない演奏ができることはとても幸せですし、何より、それを聴いて下さった方に何かを感じていただけた時、演奏家で良かったと心から思います。

齊藤:今のように素敵な音楽家の友人や共演者の方々と、同じ空間で音楽を共有し、お客様の前で演奏するたびに幸せだなと感じています。

金持さんは歌曲や宗教曲のソリストやアンサンブルなど、レパートリーも、ご活躍の場も広いことと思います。歌われる時に一番大事にされていることについて、教えていだたけますか?

よく「語るように歌う」と言われますが、どの作品を歌う時も、その作品の世界の中
で自分のものとして語りたいと思っています。また、何に対しても誠実でありたい、というのはいつも心がけたいと思っています。

齊藤さんはソリストとしてはもちろん、歌手の方とのお仕事も多いことと思います。伴奏者として歌手の方とともに音楽を作り上げる時に、心がけていらっしゃることはおありですか?

初めましての方との共演機会もとても多いので、まずは出会った時の印象とか雰囲気、そして歌手の方がもつ曲へのイメージ、音楽や息の流れをキャッチし、奏でる音に自然に溶け込ますことを意識しています。伴奏といえど、音楽の中では対等に、でも出過ぎず作り上げる音楽に正直に同じ方向を向いて音で会話したいなと思っています。

これから先、演奏家として、もしくはプライベートでチャレンジされたい事などはおありでしょうか?

金持:オペラにももっと積極的にかかわっていきたいと思っています。オペラの現場に身を置かせていただくと、他とはまた違った刺激、発見があります。今のレパートリーとも相互的に自分の演奏に生かしていけるよう、より幅広く歌っていきたいです。そして、定期的な歌曲のコンサートも企画していけたらと思っています。編成の大きい作品と比べると華やさはないかもしれませんが、親しみやすい形で多くの方に聴いていただけるような工夫をしながら、歌曲もいいなと思っていただけるようなものができたらと思っています。

齊藤:結婚を機に引っ越した浦和の地で、地元の方々を巻き込んだファミリーコンサートやオペラの企画、制作する活動を始めました。
音楽の楽しさや魅力を小さな子供も大人もお年寄りも、もっと身近に届けていきたいと思い、地域密着の本格的なコンサートを主宰し、様々な人たちの生活の中に音楽を鳴らしていく活動にチャレンジしていこうと思っています。演奏を通じて街に溶け込んでいけるのは幸せだなと思います。

お忙しい日々をお過ごしかと思いますが、音楽以外でお好きな時間の過ごし方はございますか?

金持:野球観戦が大好きで、中学生の頃から横浜ベイスターズが好きです。基本的にはインターネットやテレビで観戦していますが、年に数回は横浜スタジアムへ行って応援しています。ビールを飲みながら、球場で大好きなチームを応援するのは最高です!

齊藤:天気の良い日に洗濯したりお布団干すのは大好きです。そしてそのふかふか布団でひたすら寝るのも大好き。あとは甘いものが好きなのでカフェに行くのも好きです。

今回のコンサートはゲストにバリトンの井上雅人さんをお迎えされ、1部、2部では趣向を変えた構成と伺っております。心待ちになさっているお客様へ、聴きどころ見どころなどを教えて頂けますか?

井上雅人さんとは、学生時代から度々共演させていただいています。オペラ作品をご一緒することが多いですが、井上さんの歌われる歌曲もとても素敵だと思っていました。紀尾井町サロンホールが歌曲作品にもとてもマッチしそうだな、と思っていたこともあり、オール歌曲プログラムにさせていただきました。

前半は大中恩さんの「月曜日の詩集」、後半はロベルト・シューマンの「リーダークライスOp.39」を中心としたプログラムです。「月曜日の詩集」はソプラノとバリトンのための曲集で、それぞれの独唱と二重唱、計7曲から成っています。高田敏子さんの、日常を描きながらも心の奥底にじんわり沁み入ってくる詩に、時に劇的、時にロマンチックな、実に色彩豊かな大中さんの音楽が合わさると、より世界が広がっていきます。井上さんと歌曲でご一緒するのなら是非、と選んだ作品です。「リーダークライスOp.39」は、シューマンが、妻のクララと結婚した年に作曲された代表作の一つです。ロマン派のど真ん中を行くようなアイヒェンドルフの詩の言葉一つ一つに、非常に繊細に音楽がつけられています。一つの物語のページをめっくていくような楽しみ方ができる作品だと思います。

世界中で色々なことが起こり落ち着かない日々ですが、聴いてくださる方々の心が少しでもほっとするような時間になればと思っています。

コンサート情報

3月31日主催木曜コンサートは、ソプラノの金持亜実さんとピアニスト齊藤舞さんのDuo Concertです。1部は春を想う日本歌曲の数々、2部はシューマンのリーダークライスOp39.と趣向を変え、ゲストのバリトン井上雅人さんと共に紡ぐ美しい歌曲を、どうぞお楽しみにお越しくださいませ。

2022年3月31日 木曜日
開場18:30 開演19:00

■チケット
一般4,000円
学生2,500円

本チケットは会場現金精算型の販売形式となります。
本オンラインショップではご予約のみの受付となり、コンサート当日にホール受付での現金精算後ご入場となります。

■販売
紀尾井町サロンホールオンラインショップ
https://kioichosalonhall.com/shop/products/detail/11

■出演
金持亜実(ソプラノ)
齊藤舞(ピアノ)
ゲスト:井上雅人(バリトン)