紀尾井町サロンホール主催「音楽大学生による木曜コンサート – Blooming」にご出演いただく音楽大学生をご紹介する、Blooming Artist インタビューシリーズ。第16弾は4月8日にご出演いただく、冨永春菜さん(東京藝術大学音楽学部声楽科4年)にご登場いただきました。

ご自身と音楽との出会い、音楽を志すに至るお話しをお聞かせ頂けますか?

 音楽を本格的に志すきっかけになったのは中学生のころでした。部活動とは別に有志の合唱団があり、当時1年生の最初の試験で勧誘されソフトテニス部と掛け持ちして入団することになりました。その合唱団では宗教曲を演奏することが多く、初めて外国語の声楽曲に触れました。それまで音楽がすごく好き!という訳でもなかったのですが、活動していく中で感じるヨーロッパの和声の響きが堪らなく好きになり中学校3年間でラテン語からハンガリー語まで、様々な合唱曲に取り組んでいました。そんな中進路を決める時期に差し掛かり、私は周りの皆と同じ様に普通科の高校に進み合唱は部活動として続けようと考えていました。合唱団に外部講師としていらっしゃった先生に音楽科に進学することも考えてみては?と助言を頂き、今より本格的に音楽を学びたいと考え音楽科に進学しました。そこからはがむしゃらに勉強して今に至ります。

音楽大学に入学されてから、思い出深いエピソードなど心に残る出来事などおありでしたか?

 大学2年の時、藝祭で恒例のガラ・コンサートを企画して有志の学生オケと一緒に演奏する機会がありました。オーケストラと一緒に演奏するのは初めてで、楽しみが積もる反面不安な事も沢山でした。ですが、稽古を重ねて当日を迎え、演奏中も自分のことで頭いっぱいでしたが大学で有志で集まってオーケストラ伴奏でオペラアリアが歌えてしまう環境にとても感動したのを覚えています。

昨年からのコロナ禍で皆様の学生生活も一変されたかと思います。その中での音楽との向き合い方などご自身に変化はございましたか?

 以前は大学に行けば色んな専攻の同期に会えて何気なく音楽について話したり自分の詳しくない分野に詳しい人に会って話しをしたり、毎日少しずつ興味や知識の幅が広がっていました。コロナ禍では大学毎日通うことはなくなり、必要な時間に学校に行き、以前のように集まって話すことなくそのまま帰る流れで生活しています。卒業が近づいているのもあって意識はしていますが自分で広げていかないと興味が狭いままで終わってしまうような焦燥感にふと駆られる事があります。
ですが、自分1人で過ごす時間が増えたため、今まで取り組んできた曲、これから新たに取り組む曲について調べて考える時間がじっくり取れるようになりました。

音楽だけではなく、プライベートも含めて、これからチャレンジしてみたいことはございますか?

 音楽では、オペラを1本通して歌える演目を増やしていきたいです。アリアと一部分の重唱はやったことあるけど…という感じの演目があるのでしっかり体に入れていきたいです!プライベートでは、もっと体力をつけたいと考えています。散歩が趣味なのもあり頻繁に外に出て動いているのですが、もっとアクティブな運動をしたいので、中学生の頃音楽とは別に熱中していたソフトテニスを改めてやってみようと思います!

最後にコンサートを心待ちにされていらっしゃるお客様に、当日のプログラムの聴きどころなど、メッセージをお願い致します。

 私は今回のメンバー全員初対面だったので、皆がどんなレパートリーでどんな声なのかも知らずにプログラムに入れたい曲を挙げていました。皆はそれぞれ日本語、イタリア語、ドイツ語、フランス語、ロシア語と幅広く取り組んでいて、一言まとまりがあります!とは言えませんが、ある意味お腹いっぱいのプログラムだと思います…。今回演奏する重唱曲はほとんど初めてで合わせの度新しい刺激をもらっています。 12月時点で各曲合わせが始まったばかりですが、ワクワクが止まりません。
私の演奏曲は全部好きな曲を選択しました。リゴレットの四重唱があるということでジルダのアリアを選びました。四重唱だけでも華やかですが、ジルダのアリアを聴いてからだとよりストーリーを感じられると思います!歌曲は大好きな作曲家、山田耕筰とラフマニノフから時間的には短いですが1曲ずつ選びました。
当日会場で皆様にお会いできるのを楽しみに練習を重ねてまいります。

演奏動画

ピアノ 石塚幸子
撮影・編集 紀尾井町サロンホール運営事務局(株式会社ミリウテラス)

プロフィール

冨永春菜
東京藝術大学音楽学部声楽科4年在学中。第71回全日本学生音楽コンクール東京大会及び全国大会1位、甲子園にて「君が代」独唱。かんぽ生命奨励賞、日本放送協会賞、安宅賞受賞。2021年度公益財団法人青山音楽財団奨学生。これまで京都・即成院御前演奏やコンサート等多数出演の他、主演リサイタルも行い好評を得た。

コンサート情報

アーク紀尾井町サロンホール主催シリーズ
音楽大学生による木曜コンサート Blooming Op. 4 – Vocal

2022年4月8日 金曜日 延期開催日 特別に金曜日開催となりますお気を付けくださいませ
Matinee 開場13:00 開演13:30
Soiree 開場18:00 開演18:30
紀尾井町サロンホール

■チケット
各回¥2,500
マチネソワレ通し券¥4,000 税込・自由席

■チケット購入
紀尾井町サロンホールオンラインショップ
https://kioichosalonhall.com/shop/

■出演
冨永春菜
菅沼千尋
松浦宗梧
谷島 晟
井筒梨音香
岡山 亘

藤平実来(ピアノ)
岡田華子(ピアノ)

■Matinee
Pierrot/C.Debussy
La fille de cadix/C. Léo Delibes
Preghiera/ F.Tosti
月夜の浜辺/藤中聖也
Sieben frühe Lieder ”Nacht”/A.berg
O sole mio/E.Di Capua
君がため織る綾綿/山田耕作
Zdes’khorosho/S.Rachmaninov
《Il matrimonio segreto》“Le faccio un inchino”/D.Cimarosa
《Cosi fan tutte》“Il core vi dono”/ W.A.Mozart
《Merry widow(Die lustige Witwe)》“Lippen Schweigen”/ F.Lehar
《Don Carlo》“Dio, che nell’alma infondere”/ G.Verdi
《Carmen》“Parle-moi de ma mère”/ G.Bizet

■Soiree
《The Telephone》“Hello!Oh,Margaret,it’s you”/ G.Menotti
《Aida》“Celeste Aida”/G.Verdi
《I Puritani》“Ah,per sempre io ti perdei”/V.Bellini
《La Bohème》“É destin, debbo andarmene … Marcello mio”/R.Leoncavallo
《L’arlesiana》“Il lamento di Federico”/F.Cilea
《Rigoletto》“Caro nome”/G.Verdi
《Rigoletto》“Un di se ben rammentomi”/G.Verdi
《Carmen》“Nous avons en tête une affaire”/ G.Bizet
《Il Barbiere di Siviglia》“Dunque io son”/ G.Rossini
《L’elisir d’amore》“Caro elisir! Sei mio!”/ G. Donizetti

 *チラシは画像をクリックすると拡大いたします

木曜コンサート – Blooming シリーズ

紀尾井町サロンホールではコロナ禍で大きな影響を受けている音楽シーンの状況に、少しでも未来に続く光を見いだせるような取り組みを模索しております。その中で、対面での実技レッスンが出来なくなったり、演奏をする機会も激減し思い描いていたような学生生活が送れずにいる音楽大学生の苦悩のお話をお聞きし、サロンホールとして学生の皆様に寄り添い、お客様の前で演奏をして頂く機会を作ることが、ささやかな一助となるのではと考えました。未来ある若き音楽家が花開く様を想いBlooming(ブルーミング)というタイトルを冠して、音楽に真摯に向き合う音楽大学生による、今だからこそ出来る演奏を多くのお客様にお聴き頂くことが出来ればと願っております。

第1弾 ストリングス 2021年10月7日
第2弾 サキソフォーン 2021年11月11日
第3弾 ピアノ 2022年4月21日
第4弾 声楽 2022年4月8日

Blooming特設ページ

主催 アーク証券株式会社 ・ 紀尾井町サロンホール運営事務局(株式会社ミリウテラス)