2022年3月17日予定しておりましたアーク紀尾井町サロンホール主催シリーズ木曜コンサート「清水西谷 響宴 オトノウタゲ ~特別編」は、現在の新型コロナ感染状況拡大を鑑み、2022年10月27日に延期させて頂くこととなりました。なお、紀尾井町サロンホールオンラインショップでチケットをご購入いただいているお客様は、そのまま新しい開催日でチケットは有効となりますので、新たにお申込みいただかなくとも大丈夫でございます。どうぞ、ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

東京交響楽団首席ヴァイオリン奏者 清水泰明と元東京交響楽団首席奏者 現在はフリ-ランスで活躍するチェリスト西谷牧人が結成した弦楽スーパーユニット〈清水西谷〉が登場します。卓抜なテクニック、リリシズムとダイナミズムを併せ持つオールオリジナル曲で挑む〈清水西谷〉の世界。紀尾井町サロンホールが圧倒的な弦の音色に満たされます。〈今〉のおふたりに少し質問を投げかけさせていただきました。コンサートのご案内としてお役にたてれば幸いでございます。(本文中は一部敬称略にて失礼いたします)

〈清水西谷〉はお二人が首席奏者としてとして在籍していた東京交響楽団時代の2015年に結成されました。(清水さんは現在も首席奏者としてご活躍中)クラシック音楽の世界に身をおかれている時期に、ポップスのユニットを結成された経緯をお聞かせくださいませ。

2011年7月9日 響宴~オトノウタゲ~Vol.3 恵比寿Art Cafe Friends

西谷:クラシック音楽は基本的には何百年も前に作られたものを主に演奏するので、伝統芸能のようなものです。歌舞伎役者さんが古典を演じるのに似ているかもしれません。何百年も生き続ける珠玉の名曲を演奏するのはもちろん素晴らしい事なのですが、それと同時に21世紀に生きるアーティストとしてゼロから全く新しいものを作っていきたいという思いもありました。それで「自分で作った音楽を自分で弾く」というユニットを始めました。でも実はその「自作自演」こそがバッハもモーツァルトもショパンも多くの作曲家がやってきたことで、我々が始めた事も音楽の原点回帰だと思っています。ちなみに、自分たちとしては「オリジナル曲を演奏するユニット」であって、ポップスユニットだとは思っていません。現代人なのでポップな曲が多いかもしれませんが(笑)。

クラシック以外の音楽で影響されたアーティストはいらっしゃいますか?また、どのような影響を受けたのでしょうか?

清水:たくさんいますが、中でも人生が変わるくらい影響を受けたのは坂本龍一教授です。LIFE a ryuichi sakamoto opera 1999にコーラスで参加して、その世界に圧倒されました。楽曲には20世紀を代表する色々な作曲家のハーモニーや民族音楽が登場し、究極は祈りの境地のChoral。共演のオーケストラや合唱団との思い出、すべてがその後の人生につながっています。

西谷:多過ぎてとても選びきれませんが…高校時代にバンドを組んでエレキギターを弾いていた事は、その後もクラシック以外の音楽を弾く上で大いに生きていて、リズム感、(クラシックには無い)ハーモニー感、自由な自己表現など影響をたくさん受けました。パッと思い付くのは、X JAPAN、B’z、山崎まさよし、Mr.BIG、エリック・クラプトン、ビリー・ジョエル、アストル・ピアソラ、などでしょうか。

お二人とも曲をお作りになりますが、ご自身の特徴として、それぞれどのような世界を創り出そうと考えていらっしゃいますか。

清水)小さいころから歌うことが大好きでしたし、シンガーソングライターに憧れがあったこともあって、やはり「歌」メロディーには特別な思い入れがあります。学校や仕事が終わって帰宅すると真っ先にその時の気持ちや影響を受けたことをピアノに向かって即興でパラパラと弾く。そんなことをもう何十年もやっている日々です。これからも、ありのままの自分を表現していきたいですね。

西谷:僕は世界中の民族性を感じられる音楽が好きなのですが(アメリカのジャズ、南米のタンゴやボサノヴァ、ハンガリーのジプシー、フランスのシャンソン、アイルランド民謡など)、そういった音楽からはその土地の風土を感じられます。そのような、聴いて頂く皆さんの中に風景や香り、そして喜びや懐かしさなどを感じてもらえる音楽を創りたいといつも思っています。

ジャンルを超えて活動なさるお二人ですが、クラシックを演奏なされるときと、〈清水西谷〉の楽曲を演奏されるときとは異なる感覚があるのでしょうか?

西谷:それはあります。例えばベートーヴェンを演奏する時はその演奏スタイルがとても大切で、そこを無視してしまうと良い音楽にならないので、それを知るために音大などで勉強するのです。伝統芸能は伝統に則って演奏するのがやはり最も相応しく、個人的には「~風にアレンジされたベートーヴェン」などはあまり好きではありません。その一方で、自分たちのオリジナル曲は自分こそがスタイルです。自分たちそのものを見て(聴いて)頂く、という感覚です。

2015年11月24日 清水西谷CD発売記念コンサート 銀座ヤマハホール

 

鮮烈な印象を残したファーストアルバム、「KODO」でお二人の演奏の凄みにも圧倒さましたが、その中にとてもセンシティブで詩的な親しみも感じました。今回のプログラムの後半には未発表曲も予定されていますが、どんな内容になるのでしょうか。

CD〈KODO〉清水西谷 レーベル:㈱キャピタルヴィレッジ

西谷:今の時点で完成してないのでまだ分かりませんが(笑)、新曲を作る上でいつも心掛けるのは、今までに作った曲とは違うタイプのものにしようという事ですね。乞うご期待と言っておきます♪

 

少し脱線します。お二方とも演奏活動にお忙しく音楽三昧の日々を送られていますが、そんな中、音楽以外で一番癒しになるものってなんでしょう。

清水:入浴です。お風呂は最高です。温泉に行って美味しいものを食べたいです。

西谷:家族と過ごす時間ですね。最近文鳥とウサギが仲間入りして大家族になってきました。

〈清水西谷〉の今後の展望をお聞かせください。

西谷:ライヴはコロナの様子を見ながらになってしまいますが、今年は何よりもニューアルバム!CDや配信で皆さまにお届け出来る様に頑張ります。

2014年8月4日 Cathédrale Notre-Dame de Parisにて

 

最後に、今回の公演にお越しになられる方へ向けて、お二人からのメッセージをお願いします。

清水:〈清水西谷〉を結成して7年ですが、年を重ねるごとにお互いの信頼が厚くなっていると実感しています。今回はバックオケなし、ヴァイオリンとチェロのみというシンプルなスタイルで、今の自分たちの音楽を感じていただければ幸いです。

西谷:〈清水と西谷〉でしか生まれない音楽を、ライヴでしか味わえない臨場感で是非聴いて頂きたいと思っています。まだまだ落ち着かない世の中ですが、皆さまのひと時の癒しになればと願っています。

コンサート情報

アーク紀尾井町サロンホール主催シリーズ 木曜コンサート
清水西谷 響宴 オトノウタゲ ~特別編

清水泰明(violin)と西谷牧人(cello)が2015年に結成したインストゥメンタルバンド。今回は50名様限定、オール自作プログラムで挑むスペシャルライブです。映画や物語の主人公にさせてくれるようなリリシズムとダイナミズムが魅力を放つ〈清水西谷〉の世界。名手二人が奏でるストリングスの生音の醍醐味をお楽しみください。

2022年3月17日(木曜日) 延期開催 2022年10月27日
19:00開演 18:30開場

<チケット>
4,000円 税込・全席自由【完売御礼】
予定販売枚数を終了しました。
キャンセル待ちのお申し込みは、こちらのページからご連絡ください。

<チケット取り扱い>
紀尾井町サロンホールオンラインショップ
https://kioichosalonhall.com/shop/
*本公演チケットは、当日会場現金決済のみのご予約となります

<プロフィール>
清水西谷 SHIMIZU NISHIYA

清水泰明(Violin)、西谷牧人(Cello)による、2015年結成のインストゥルメンタルバンド。これまでに、手嶌葵、Coccoなど様々なメジャーアーティストとの共演、ストリングスアレンジ、レコーディングにも参加。2015年に全曲を清水西谷で作曲及び演奏した1stAlbum「KODO」を発表。現在、TV番組の挿入曲としても使用されている。

清水泰明 YASUAKI SHIMIZU /TAIMEI
国立音楽大学ヴァイオリン科を首席卒業。卒業時に「矢田部賞」受賞。コンポーザー・プロデューサーとして、代表曲として、2002年、小柳ゆき(「remain~心の鍵~」TBSドラマ「恋を何年休んでますか?」主題歌、NHK紅白歌合戦にも使用など)、その他アーティスト多数。アレンジでは、岡本真夜、Coccoはじめ多数。またヴァイオリン奏者として、河口恭吾のシングルCD「桜」において作曲家・ピアニストの故・深町純氏とのデュオver.制作など、有名ミュージシャンとのセッション・レコーディング参加。
2010年には、ミューザ川崎シンフォニーホールで上演された「ランチ&ナイトコンサート」において、ヴァイオリニスト高木和弘氏脚本による音楽劇「もみの木~O tannenbaum~」の音楽制作を担当。以後同コンサートでは数回にわたり音楽制作全般を担当。また、作編曲はもとより、ピアノ、ヴァイオリン、ビオラなど、収録のほとんどの楽器を担当する自作自演の音楽製作をライフワークとし、「DREAMS OF CHILDREN」(2005年:プロダクションI.G制作アニメ:The King of Fighters: Another Day 劇中歌)、「TRAVELER」(2009年)を制作。また東京交響楽団首席チェロ奏者西谷牧人氏と共に「清水西谷」を結成。2015年1st Album 「KODO」をリリース。現在テレビなどの番組挿入曲としても使用されている。2000年より東京交響楽団第2ヴァイオリン首席奏者。2017年よりソロではTAIMEIとして活動している。

西谷牧人 MAKITO NISHIYA
大学院終了後渡米。インディアナ大学にて研鑽を積み、2004年パフォーマーディプロマコースを修了(堤剛氏、ヤーノシュ・シュタルケル氏に師事)。また、ヨーヨー・マ、ダヴィド・ゲリンガス、ヴァレンティン・フェイギン、毛利伯郎、上村昇ら各氏をはじめとする多くのチェリストのマスタークラスを受講している。室内楽では、漆原啓子、野平一郎、店村眞積、練木繁夫、イクワン・ベイ、フェデリコ・アゴスティーニら各氏に師事。2005年、3年半の留学を終えて帰国し、同年9月より指揮者の佐渡裕氏率いる兵庫芸術文化センター管弦楽団(通称、兵庫PACオーケストラ)に第1期生として入団。2008年度兵庫芸術文化センター・ワンコインコンサートNo.1アーティストに選ばれ記念リサイタルを開催。これまでに、コンチェルトのソリストとして秋山和慶、尾高忠明、佐渡裕ら各氏との共演や、大谷康子弦楽四重奏団、バンドネオン奏者小松亮太氏のタンゴ楽団、ライブイマージュ、葉加瀬太郎Violin Summit、ハナミズキ室内合奏団、硬派弦楽アンサンブル「石田組」、霧島国際音楽祭への参加、テレビ朝日「題名のない音楽会」の出演など、多岐にわたる演奏活動を行っている。2013年にはピアニストの練木繁夫氏を共演者に迎え、東京と京都でのリサイタルを開催。好評を博し、2013年度青山音楽賞を受賞。2015年、新たな音楽分野への挑戦として、東京交響楽団首席ヴァイオリン奏者の清水泰明氏とユニット「清水西谷(shimizunishiya)」を結成。全曲オリジナル曲&2人の演奏のみの多重録音による「KODO」にてCDデビュー。作曲、編曲、ライヴ活動も展開している。2008年~2016年東京藝術大学の非常勤講師、2008年~2019年まで東京交響楽団首席チェロ奏者を務める。現在は独立し、バッハからジャズ、タンゴ、ポップス、自作自演までジャンルを超えた演奏活動を展開する傍ら、愛知県立藝術大学の非常勤講師として後進の指導にも当たっている。

オフィシャルホームページ http://nishiyamakito.com/

<主催>
アーク証券株式会社・紀尾井町サロンホール運営事務局(株式会社ミリウテラス)