Blooming Artist インタビュー vol.6 | 紀尾井町サロンホール

紀尾井町サロンホール主催「音楽大学生による木曜コンサート – Blooming」にご出演いただく音楽大学生をご紹介する、Blooming Artist インタビューシリーズ。第6弾は11月11日サキソフォーンカルテット公演にご出演いただく、彦坂優太さん（上野学園大学演奏家コース4年次在学中）にご登場いただきました。

ご自身と音楽との出会い、音楽を志すに至るお話しをお聞かせ頂けますか？

2歳頃からヤマハ音楽教室にて音楽に触れていたことと、父がプロのサクソフォン奏者だったので、サクソフォンという楽器には馴染みがあったこともあり、幼少期から様々な音楽に触れていました。小学校の時に吹奏楽部に入り、サクソフォンはその時から吹き始めました。小学校高学年に入るくらいまではプロになるという意識はあまりなく、ただ純粋に、楽しみながら楽器を吹き続けていたように思います。

しかし、今思えばこれが転機だなと思う出来事が小学校5年生の時ににありました。J.イベールが作曲した「アルト・サクソフォンと11の楽器のための室内小協奏曲」に出会ってしまったのです。まさに僕の心の中に火をつけた曲で、今でも大好きな1曲です。「なんだこれ…この曲、凄くかっこいい！早く僕もこれを吹けるようになりたい！｣という思いが膨れ上がり、小学校6年生位の時には父親の楽譜棚を漁り、夢中になって譜読みを始めました。プロの音楽家になりたいという思いはその最中に芽生えて来たように思います。

音楽大学に入学されてから、思い出深いエピソードなど心に残る出来事などおありでしたか？

僕自身はとても不器用なので、様々な場面で友達に迷惑をかけることが沢山ありました。何かに行き詰った時、落ち込んでいる時、僕はよく学校の椅子に腰掛けるのですが、それを見かけた友達がいち早く僕の様子を察知して、「優太、上野公園の噴水に行こう！」と誘ってくれました。本当に優しい友達だなと思います。噴水近くではそれこそ色々な話をしました。涙あり、笑いありの会話です。音楽の話になった時には激論になり、そこでヒントになることも沢山ありました。
その時に流した涙、笑い
それが今でも一番の思い出として鮮明に残っています。

昨年からのコロナ禍で皆様の学生生活も一変されたかと思います。その中での音楽との向き合い方などご自身に変化はございましたか？

コロナの影響もあり、人前で演奏する機会は激減してしまいましたが、代わりに自分と向き合う時間が増えました。特に行ったことといえば、ロングトーン、音階を物凄くゆっくり吹いて、自分の音を確かめる練習をとにかくしました。また、新たに作曲も学び始めました。自分が持っている感性と信念にじっくり向き合う時間が持てたことは、今思えば貴重だなと思います。

音楽だけではなく、プライベートも含めて、これからチャレンジしてみたいことはございますか？

今後の目標としては、主に3つあります。1つは国内外の様々なコンクールに出場することと、ソロのリサイタルを年に数回行うこと、またその際、サクソフォンの新たなレパートリーも開拓していきたいです。作曲も勉強しているので、自作の曲も作っていきたいと思っています。

最後にコンサートを心待ちにされていらっしゃるお客様に、当日のプログラムの聴きどころなど、メッセージをお願い致します。

今回、本当に様々なジャンルの曲を取り上げました。作曲家の国も、アメリカ、フランス、ドイツ、日本とバラバラなので、それぞれの違いをそのまま感じながら聴いて頂くと、とても楽しいです。また、それぞれ難度が非常に高いので、それぞれの技巧にも注目して頂ければと思います。

プロフィール

彦坂優太
上野学園大学演奏家コース4年次在学。日本サクソフォン協会主催第19回jrサクソフォンコンクール第1位受賞。第10回横浜国際音楽コンクールサクソフォン部門高校生の部第1位受賞。サクソフォンを彦坂眞一郎、松原孝政、長澤範和各氏に師事。

演奏動画

彦坂優太さん、北井陽平さん、西村魁さん、佐々木晴志郎さんによるサキソフォーンカルテットの演奏動画です。紀尾井町サロンホールでご演奏いただきました。

コンサート情報

アーク紀尾井町サロンホール主催「木曜コンサート」の新たなシリーズ、音楽大学生による「木曜コンサートBlooming」第2弾はサクソフォーンカルテットの登場です。コロナ禍でも音楽に真摯に向き合い未来へ突き進む音楽大学生の、今だからこそ出来る演奏を多くのお客様にお届けいたします。ご期待ください。

アーク紀尾井町サロンホール主催木曜コンサート
Blooming OP. 2 – SAXOPHONE

彦坂優太
西村魁
佐々木晴志郎
北井陽平

2021年11月11日木曜日
開場18:30　開演19:00

チケット
一般￥3,000
学生￥2,500
税込・自由席

チケットのご予約は紀尾井町サロンホールオンライン予約をご利用ください。

■Program

P.ランティエ　アンダンテとスケルツェット　／　F.メンデルスゾーン　プレリュードとフーガ
A.ベルノー　　サクソフォン四重奏曲　／　H.ハンコック　ウォーターメロンマン
彦坂僚太　エンドロール　／　G.ガーシュイン　　ラプソディインブルー　／　A.ドヴォルザーク　ユーモレスク

■Profile

西村魁
兵庫県出身。岡山県明誠学院高等学校特別藝術コースを経て東京藝術大学四年次に在学中。サクソフォーンを牧祐介、長瀬敏和、平野公崇、須川展也、大石将紀、有村純親、本堂誠、彦坂眞一郎の各氏に師事。

佐々木晴志郎
京都府出身。京都市立京都堀川音楽高校卒業、東京藝術大学四年次に在学中。12歳からサクソフォンを始め、これまでに牧祐介、田端直美、須川展也、大石将紀、有村純親、本堂誠、彦坂眞一郎、各氏に師事。

北井陽平
埼玉県川口市出身。埼玉県立大宮光陵高校音楽科を卒業し上野学園大学2年次在学中。12歳からサクソフォンを始め、現在は彦坂眞一郎、松原孝政、長澤範和の各氏に師事。日本酒と岩盤浴を愛しています。

　　＊チラシは画像をクリックすると拡大いたします

木曜コンサート – Blooming シリーズ

紀尾井町サロンホールではコロナ禍で大きな影響を受けている音楽シーンの状況に、少しでも未来に続く光を見いだせるような取り組みを模索しております。その中で、対面での実技レッスンが出来なくなったり、演奏をする機会も激減し思い描いていたような学生生活が送れずにいる音楽大学生の苦悩のお話をお聞きし、サロンホールとして学生の皆様に寄り添い、お客様の前で演奏をして頂く機会を作ることが、ささやかな一助となるのではと考えました。未来ある若き音楽家が花開く様を想いBlooming（ブルーミング）というタイトルを冠して、音楽に真摯に向き合う音楽大学生による、今だからこそ出来る演奏を多くのお客様にお聴き頂くことが出来ればと願っております。

第1弾　ストリングス　２０２１年１０月７日
第2弾　サキソフォーン　２０２１年１１月１１日
第3弾　ピアノ　２０２２年２月１７日
第4弾　声楽　２０２２年２月２４日