紀尾井町サロンホール主催「音楽大学生による木曜コンサート – Blooming」にご出演いただく音楽大学生をご紹介する、Blooming Artist インタビューシリーズ。第2弾は10月7日弦楽器奏者による公演にご出演いただく、ヴァイオリンの伊東香音さん(東京音楽大学音楽学部音楽学科器楽専攻4年)にご登場いただきました。

ご自身と音楽との出会い、音楽を志すに至るお話しをお聞かせ頂けますか??

母の知人が近所のヴァイオリン教室に見学に行くというので、母が私を連れて行ったのをきっかけにヴァイオリンを始めました。その後、小学3年生で東京音楽大学付属音楽教室に入室し、東京音楽大学で勉強をするのは今年で14年目になります。私にヴァイオリンのない生活は想像できないので、この道で頑張ろうと決めました。

音楽大学に入学されてから、思い出深いエピソードなど心に残る出来事などおありでしたか?

私が大学2年生の時に参加させていただいた、第21回別府アルゲリッチ音楽祭と毎年開催される東京音楽大学の定期演奏会です。世界的に著名な方々との共演は、アルゲリッチ音楽祭が初めてで、フランス音楽を主に演奏するということで音色や音楽を始める際、演奏している際の呼吸の仕方など、沢山のことを学びました。他にも今まで経験したことのないような密度の濃い貴重な時間を過ごし、今でもあの時のことを思い出します。

定期演奏会は大学2年生から出演させていただいていて、一昨年は下野竜也氏、昨年は尾高忠明氏の指揮のもと演奏しました。特に昨年はコロナ禍で、授業が休講となり、もちろんオーケストラの授業も無くなりました。代わりに、zoomレッスンやYouTubeに演奏動画を投稿するといったオンライン授業となり、半年ぶりに仲間達と対面で一緒に演奏できた時は、本当に嬉しかったです。

定期演奏会前にあった8日間の練習は大変でしたが、みんなで1つの音楽を作り上げる素晴らしさ、楽しさ、改めて演奏が出来ることに幸せを感じ、お越しいただいたお客様からの大きな拍手で泣きそうになりました。今年の定期演奏会は12月14日にユベール・スダーン氏の指揮でJ.ブラームス作曲の交響曲第2番 ニ長調 作品73などを演奏しますのでよろしければお越しください!!(笑)

昨年からのコロナ禍で皆様の学生生活も一変されたかと思います。その中での音楽との向き合い方などご自身に変化はございましたか?

特に変わっていないと思いますが、今まで以上に時間が増えて、弾くだけでなく、楽譜や書籍を読んだり、取り組む曲に対して考える時間にあてました。練習内容でいうと、基礎練習を多くするようになりました。やはり、基礎ができていないとその応用は絶対に上手くできないんですよね。私は特に左手の筋力が弱かったので、痛い思いをしながら日々基礎練習に励みました。

音楽だけではなく、プライベートも含めて、これからチャレンジしてみたいことはございますか?

新しくチャレンジしてみたいことというより、既にチャレンジしているのですが、室内楽です!今まで室内楽の勉強はあまりしてこなかったので、弾いてみたい曲がいくつか溜まっていたのですが、大学生活最後のこの年に、学校で室内楽の授業を取り、ピアノ四重奏を勉強しています。

いつか弾いてみたい曲目の中の1つがJ.ブラームス作曲のピアノ四重奏曲第1番 ト短調 作品25でした。この曲は初めて聴いた時から「弾きたい!!」と強く思った曲で、ついにこの曲を10月から取り組むことになり、本当に楽しみです。

プライベートでは、何かを作るのが好きで、普段から空き時間にビーズアクセサリーを作ったり、友人に向けてバースデーカードなどを作るのですが、流行っているというのもあり、編み物に挑戦してみたいです!試しに少し挑戦してみたのですが、向いていないかもしれません(笑)

最後にコンサートを心待ちにされていらっしゃるお客様に、当日のプログラムの聴きどころなど、メッセージをお願い致します。

「木曜コンサート」の新たなシリーズとして音楽大学生による「木曜コンサートBlooming」の第1弾に出演できることを大変嬉しく思います。マチネは室内楽、ソワレはソロということで、私自身初のプログラム構成となっております。

私は室内楽で松下眞子さんと、S.S.プロコフィエフ作曲の2つのヴァイオリンのためのソナタ ハ長調 作品56と、D.ショスタコーヴィチ作曲 5つの作品を演奏します。特にプロコフィエフの2つのヴァイオリンのためのソナタは、私のいつか演奏してみたい曲の1つで、まさかこのような素晴らしい機会に演奏できると思っていませんでした。2つのヴァイオリンの掛け合いが絶え間なく続いていくので、既に緊張しています…。どちらも有名曲であるため、とてもハードルが高いですが、聴いてくださる方々の記憶に残るような私達らしい演奏をしたいと思います!

演奏動画

伊東香音さんに紀尾井町サロンホールでご演奏いただきました。

Piano 宍戸絢香
撮影・編集 紀尾井町サロンホール運営事務局(株式会社ミリウテラス)

プロフィール

伊東香音 Violin
3歳よりヴァイオリンを始める。第3回ツィゴイネルワイゼンコンクール宗次オーナー賞を受賞。第18回東京音楽大学コンクール弦楽器部門第2位。第30回日本クラシック音楽コンクール大学の部第4位受賞。これまでに水戸泰雄、篠﨑功子、原田幸一郎、現在、神尾真由子、竹澤恭子の各氏に師事。福島育英会奨学生。東京音楽大学4年次在学中。

コンサート情報

アーク紀尾井町サロンホール主催
音楽大学生による木曜コンサート
Blooming OP. 1 – STRINGS

Violin 前田妃奈
Violin 伊東香音
Violin 松下眞子
Viola 宮川清一郎
Cello 湯原麻衣

Piano 大越崇史
Piano 新井瑛久
Piano 宍戸絢香

2021年10月7日 木曜日
Matinee 開場13:00 開演13:30
Soiree 開場18:00 開演18:30

チケット 各回¥2,500(税込・自由席)

チケットのご予約は紀尾井町サロンホールオンライン予約をご利用ください。

■Program

Matinee
L.v.ベートーヴェン 弦楽三重奏曲 第2番 ト長調 作品9の1
S.S.プロコフィエフ 2つのヴァイオリンのためのソナタ ハ長調 作品56
D.ショスタコーヴィチ 5つの小品

Soiree
L.v.ベートーヴェン ヴァイオリンソナタ 第5番 作品24 “春” 第1楽章
R.シューマン おとぎの絵本 作品113 / Z.コダーイ 無伴奏チェロソナタ 作品8より 第1楽章
バルトーク.B バイオリンと管弦楽のための狂詩曲 第1番 作品1
S.S.プロコフィエフ ヴァイオリン・ソナタ 第2番 作品94 bis ニ長調

  *チラシは画像をクリックすると拡大いたします

木曜コンサート – Blooming シリーズ

紀尾井町サロンホールではコロナ禍で大きな影響を受けている音楽シーンの状況に、少しでも未来に続く光を見いだせるような取り組みを模索しております。その中で、対面での実技レッスンが出来なくなったり、演奏をする機会も激減し思い描いていたような学生生活が送れずにいる音楽大学生の苦悩のお話をお聞きし、サロンホールとして学生の皆様に寄り添い、お客様の前で演奏をして頂く機会を作ることが、ささやかな一助となるのではと考えました。未来ある若き音楽家が花開く様を想いBlooming(ブルーミング)というタイトルを冠して、音楽に真摯に向き合う音楽大学生による、今だからこそ出来る演奏を多くのお客様にお聴き頂くことが出来ればと願っております。

第1弾 ストリングス 2021年10月7日
第2弾 サキソフォーン 2021年11月11日
第3弾 ピアノ 2022年2月17日
第4弾 声楽 2022年2月24日

Blooming特設ページ

主催 アーク証券株式会社 ・ 紀尾井町サロンホール運営事務局(株式会社ミリウテラス)