7月21日の<主催>木曜コンサート、ウクライナ人道支援第二弾のチャリティコンサートは、数々の映像作品とのコラボレートなど多岐に亘るフィールドで活躍する作曲家・ピアニストの野崎美波さんと、瑞々しい歌声で聴衆を魅了する新進ミュージカル歌手 関根結花さんのデュオコンサートです。音楽との出会い、公演にかける想いなどいろいろ、お二人の素顔に迫るインタビューをお楽しみください。 (文中一部敬称略)
野崎さんと関根さんにお尋ねします。お二人の出会いは?また、このチャリティコンサートに出演されるにあたっての想いをお聞かせくださいませ。
野崎:10年くらい前のことでした。私のソロアルバムのミックス、レコーディングを担当されていた故赤川新一さんがプロデュースされた女声合唱団のアルバム「眠りの森の少女」に曲で参加させていただいたことでメンバーの結花ちゃんと知り合いました。初めてお会いしたとき、結花ちゃんはまだ高校生で、その頃から彼女の歌声は素晴らしく、いつかなにか一緒にできたらと思っていたところ、大橋さんから今回のお話をいただきました。大橋さんとの出会いも赤川さんがキーなので、不思議なつながりを感じています。また、今回はチャリティコンサートですが、ウクライナのニュースを目にする度になにかできることはないかと思っていましたので、いい機会をいただけました。
お二人の出会いとなったMistera Feo デビューアルバム「眠りの森の少女」
関根:アルバム「眠りの森の少女」の中の2曲(「Fairyland」と「Moon Bow」)は美波さんが作曲くださり、私が「Moon Bow」に詩をつけさせていただきました。プロの作曲家の方に曲を書いていただき、それに高校生の自分が詩をつけさせていただくという、とても贅沢な経験をさせて頂きました。その曲は今でも宝物です。それから長い月日が経ちましたが、変わらず美波さんはいつも私のことを気にかけてくださり、数年前に美波さんのスタジオで私の歌のレコーディングをさせていただいたこともありました。共演させていただいたのは高校生の時が最後だったので、今回のコンサートでまた美波さんのピアノで歌わせていただけることを本当に楽しみにしております。
野崎さんにお聞きいたします。音楽をはじめるきっかけ、現在、作曲家・ピアニストとしてご自身の音楽世界を確立されてさまざまなシーンで活躍されてらっしゃいますが、プロになる転機となった活動、演奏、人との出会いを教えてください。そして、曲をお作りになる時、演奏される時に一番大切になさっていることはなんでしょうか?また、<はなうた>というチャーミングな肩書きにも興味あります。
野崎:幼い頃から鍵盤が好きで、おもちゃのピアノで童謡など音を探して弾いたりしていました。父の転勤が多かったため、うちにはピアノがありませんでしたが、ピアノのあるお宅におじゃまするとずっと弾いて遊んいました。引越しが落ち着いた、9歳からピアノを習い始めました。映画音楽を作ることに憧れて、18歳の時、大学の映画学科の友達と初めて作った自主制作映画がぴあフィルムフェスティバルでグランプリをとり、音楽についてもとても褒めていただいたことで、勘違いで(笑)自信をもってしまい、その後、作った曲をあちらこちらのオーディションに送り、賞をいただいたり、最終審査に残ったりする中で、知り合った方から作曲のお仕事をいただくようになり、そういった方々のご縁が続いていって今に至ります。 大切にしていること(作曲)…一言では言い表しにくいのですが、圧迫感がないこと、ですかね… 大切にしていること(演奏)…集中すること(毎度反省の嵐ですが) 〈はなうた〉について…歌が好きで、自分の声を使ったお仕事もいただくこともありますが、下手の横好きで歌手と言えるほどの歌ではないので、申し訳なさからそう書かせていただいています。が、「はなうた」にも失礼かもしれないと思ってきました(笑)
関根さんにお尋ねします。ミュージカル歌手として確実に階段を登られていますね。
関根さんの音楽との出会い、またミュージカル歌手を目指すきっかけはどのようなものだったのでしょうか。また、アメリカでミュージカル学ばれたいきさつ、当時の印象深いエピソードがあったらお聞かせください。リスペクトしているミュージカル歌手の方がいらしたら、こちらも教えていただきたいです。
関根:物心ついた頃から歌うことが何より大好きでした。初めてミュージカルに触れたのが6、7歳ぐらいの頃だったと思います。テレビで「ふたりのロッテ」という作品を見た時に、「歌と踊りと演技が融合する、こんな素晴らしい表現があるのか」と驚きました。実際に生でミュージカルを見たのは小学生になってからでした。当時親の仕事の関係で香港に住んでいたのですが、「Mamma Mia!」というミュージカルを観に親に連れて行ってもらった時、目の前で歌い踊る人たちが輝いて見えたあの衝撃と感動は今でも覚えています。
アメリカでミュージカルを勉強したいと思ったきっかけは、高校1年生の時に初めてブロードウェイ作品の「オペラ座の怪人」を観た時でした。オーバーチュアが始まった瞬間に感動で涙があふれ、初めて触れた本場の世界に心が震えました。「自分もいつかあそこに立ちたい。だったらそのためにアメリカで勉強したい」とその時強く思いました。そこから学校探しやオーディションなど、親をはじめ学校の先生や歌やダンスの先生など多くの方のお力をお借りして、自分の進みたい道に進ませていただくことができました。
リスペクトしているミュージカル俳優の方は沢山いますが、中学の頃からずっと尊敬している土居裕子さんという方がいらっしゃいます。土居さんの美しい歌声と表現力に惹かれて、中学生の時学校の課題(将来就きたい職業についている方にインタビューをするという夏休みの宿題)を機にインタビューさせていただいたことがあります。丁度当時本番を控えていらっしゃり、お忙しい中インタビューを受けてくださっただけでなく、ご出演予定のステージのゲネプロまで拝見させていただき、そのおおらかなお人柄にも感銘を受けました。実は、数年前に出演させていただいたライブ「SMASH CABARET」のゲストが土居さんで、直接お会いし、自分の歌を聴いていただき、感謝することが出来たのは本当に嬉しかったです。
一度、紀尾井町サロンホールにいらした時のお二人のパフォーマンス。即興でしたが、ピアノとヴォーカルが一瞬にして柔らかくとけあい、優しい光の粒子のような眩い音楽がホールに降り注ぎました。7月21日はスペシャルな試みも計画中と聞いています。差し支えない程度でよろしいですので、お聞かせください。
野崎:今回の演奏会に合わせて、新曲を2曲つくりました。歌詞を結花ちゃんに書いていただいたことで、想像以上に骨のある曲に成長?脱皮?したようで、それを演奏するのも楽しみです。また、出会いのきっかけとなった曲「Moon Bow」も演奏する予定です。
関根:誰もが知っているであろう有名な曲や、ミュージカルソングなどもあるのですが、今回のために美波さんが作曲してくださり私が詩を書かせていただいた曲が2曲あります。両方とも、とても美しい旋律の曲です。美波さんには「自由に書いてね」と言っていただいたので、未熟ながら、一生懸命詩を書かせていただきました。今聴いていただきたい言葉、伝えたいこと、届けたい想いを綴らせていただきましたので、ぜひ聴いていただきたいです。そして、美波さんとの初めてのコラボ曲「Moon Bow」も歌わせていただきます。高校生の時とはまた違った、今だからこそのパフォーマンスがお届けできると思います。
お二方ともご多忙な日々を送られていますが、音楽以外で一番癒しになっていること、夢中になっていることはなんでしょう。
野崎:ビールです♪癒しであり活力でもあります。残念ながらコロナで外で飲む機会は減ってしまいましたが、また落ち着いてきたら徐々にビール活動をしていきたいです。
関根:音楽以外での一番の癒しは家族です。特に愛犬のメロディには毎日本当に沢山の癒しをもらっています。犬は本当に純粋で、ただ愛を与えることだけを無邪気に考えている動物だと思います。なので、メロディと一緒にいると愛だけを感じることができます。
また、ただの趣味ですが、お料理することも大好きです。無我夢中にお料理をしていると、瞑想している時と同じような感覚で、無心になれます。美味しく身体に優しいお料理を家族のために作ろうと考えて作っている時間が好きです。
また、一番好きなアーティストさんは、藤井風さんで、いつも彼の音楽を聴いています。デビューされる前に、たまたまYouTubeでおすすめに出てきた動画を拝見した時からずっとファンで、彼の音楽や言葉から伝わる愛と優しさ溢れるメッセージが大好きです。
最近は仏教の考え方を勉強することも好きです。大愚和尚さんというお坊さんのお話を聞き、仏教の教えを勉強するのが最近の休日や空き時間の楽しみです。
今後、デュオとしてのご予定はありますか?
またそれぞれの演奏活動の展望、本業以外でチャレンジなさりたいことをお聞かせください。(お二人それぞれに)
野崎:この公演でふたりのストック曲ができたので(笑)またできたらいいなと思ってます。また、今回、結花ちゃんには作詞の才能もあることを発見したので、またなにか作品でもご一緒できたらと思いました!自分の活動としましては、最後に作ったソロアルバムから10年ほどたってしまったので、今回の演奏会を今後のエネルギーにして新しいアルバムのための作曲をすすめていきたいと思います。
関根:美波さんの曲も演奏も大好きなので、今後も共演させていただけたら嬉しいです!そして、もし可能でしたらまた美波さんの曲に作詞もさせていただきたいです。
個人としましては、これからもミュージカル女優としての活動を続けさせていただきたいですし、今までチャレンジしたことのないような役を演じたり歌を歌ったりもしてみたいです。また、作品に出演させて頂くのと同時に、自身での創作活動も続けていきたいと思います。実は、チャンネル名Yuka SekineでYouTubeに動画投稿もしています。今はまだカバー曲動画だけですが、後々は作曲作詞も挑戦してみたいです。その点、今回作詞に挑戦させていただけた事は、とても勉強になりました。ミュージカル女優の活動以外に、英語関係のお仕事もしております。個人で教えている英会話と、らいおんとひよこ®︎という英語パーソナルジムで発音矯正トレーナーをしています。英語が苦手だったり、好きだけど発音がわからなくもどかしい思いをしている人に、少しでも英語を楽しいと感じていただけるようトレーナーになれるよう、頑張りたいと思っております。
〈YouTube〉 Yuka Sekineチャンネル https://youtube.com/user/melodylover0704
最後に、公演にお越しになられる方へ向けて、お二人からのメッセージをお願いします。
野崎:キラキラな結花ちゃんをみてください☆
ウクライナの方々がご自分の国で安心して過ごせるようになることを祈り、このチャリティコンサートを通してみなさんが私たちの音楽を聴いてくださることで、ウクライナの応援につながるのは嬉しいです。ご来場お待ちしています〜。
関根:今、世界で起きている様々な出来事について、個人が出来ることは限られているし、無力に感じることも多々あります。けれど、そんな時こそ「小さくても自分ができることを一つやってみることが大事」という想いから、今回の公演の出演を受けさせていただきました。ちっぽけな存在だけれど、自分に出来ることがあるとしたら、それは歌で想いを届けることだと思っています。ご来場いただく皆様には、少しでも心安らいだり、何かポジティブなものを受け取っていただければ本望です。また、チャリティーにご参加してくださることにより、より良い未来を一緒に作っていける喜びを共有させていただけたら幸せです。ご来場、心よりお待ちしております!ありがとうございました。
コンサート情報
2022年7月21日 木曜日
開場18:00 開演18:30
ウクライナ人道支援を目的としたチャリティコンサート第2弾
数々のミュージカルで活躍する若手歌手の美しいヴォーカルと映画音楽など数多くの映像作品を手掛ける抒情的なピアニストとのコラボレーション。
柔らかく美しい演奏でウクライナの平和を祈ります。
■チケット一般 4,000円
※このコンサートによる収益金は、緊急人道支援を限定して支援活動を行っている団体に全額寄付します。
ご予約はこちらから
https://kioichosalonhall.com/shop/products/detail/24
お問合わせ Music Of The Heart musicoftheheart2005@gmail.com
——————————
本チケットは会場現金精算型の販売形式となります。本オンラインショップではご予約のみの受付となり、コンサート当日にホール受付での現金精算後ご入場となります。
本公演はチケットレスとなっております。当日受付にてご購入がわかるメールのプリント、メール受信画面をご提示ください。万が一、確認がとれるものをお忘れの際は、お名前がわかる身分証明書等を当方のリストと照らし合わせをさせていただきます。身分証明書のご提示がない場合はご入館できない場合もございますので、お気を付けくださいませ。
———————————-
〈プロフィール〉
野崎美波 作曲、ピアノ、はなうた
日大芸術学部音楽学科卒業。やわらかく透明なピアノ音楽を中心にしな がら、生楽器とコンピューターを駆使したオーガニック/エレクトロな一面も併せ持つ。ラウンジ、ボサノヴァ、クラシカル、ニューエイジ、音響系と、様々なジャンルを横断する作曲・編曲・演奏活動で、映画、TV、CM 、アニメ、WEBなどの分野で活躍中。近年では映画「妖怪人間ベラ」、ドラマ「バベル九朔」等を担当。
http://minaminozaki.com
関根結花
Illinois Wesleyan大学ミュージカル学科を卒業後、Aurora Theatreと一年契約。『ノートルダムの鐘』をはじめ『ヘアスプレー』『イン・ザ・ハイツ』などのミュージカルに出演。帰国後の主な出演作は劇団四季『ノートルダムの鐘』、ミュージカル『オープニングナイト~桜咲高校ミュージカル部』、山崎育三郎 『THIS IS IKU』等。現在事務所ORCHARDに所属。英会話講師・らいひよ®発音矯正トレーナーとしても活動中。応援して下さる全ての方に感謝を申し上げます。